21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「方丈記に学ぶ –生きるを編み直す小さな建築–」展に行ってきました。
小さい建築が好きな私にとっては、この上ないテーマで楽しみにしていました。
方丈記の内容は忘れかけてはいるものの、いつもこころの片隅には憧れのようなものがある気がします。
鴨長明の生きた12世紀の京都は、度重なる災害や飢饉、遷都など、今の時代に似たような状況にあったそうです。
そんな長明が人生の後半に俗世を離れ、生きることを全うするための僅か四畳半ほどの小さな小さな住まい。
今回の展示では、その「方丈の庵」の再現をはじめ、現代アーティストら8組の庵が展示されていました。

「方丈の庵」の再現モックアップ。方丈記から読み解いて再現するとこんな形になるのですね。
本当にミニマルでありながら、琵琶や琴があるところに、人として生きることに必要なものとは何かを考えさせられます。
靴を脱いで、中に入ると意外と広い。屋根、壁がないからかもしれませんが、自然とともに暮らす生活ではこれで充分なのかもしれません。


こちらは小渕祐介+中村純の「歩く方丈」。長明の方丈の庵も簡単に解体して運べるものだったことから、生き物のように歩き、移動できる建築を試案したそうです。
農業用の飼料タンクを6本足の台車で運び、気に入った場所にタンクを建てる。タンクの中では音楽を奏でられ、小さな世界がつくられる。
気軽さを謳うわりに大袈裟な装備に見えてしまう嫌いもありますが、試みとしては面白く興味深いものでした。

美術家、山口晃の「螺庵」。現代人が住むということを考えた、一番現実的で建築的な提案でした。
中は螺旋状にステップがあり、半階ほど上がれる構成。小さいキッチンやトイレもあります。
スケッチも展示されてるのですが、建具から何から細かく設計されていて驚きました。建築家より建築家かも。
ほかの展示も興味深いものが多く、気づけば1時間半ほどの滞在となりました。
「生きる」ことの意味を問い直す、素晴らしい展覧会だったと思います。
何かと「つながり」を求められがちな現代ですが、少し離れて一人で生きてみることも必要なのかもしれません。
人生の後半はそんな生き方をしてみたいものです。
会期は来年の1/11(月)まで。
お早めにどうぞ。
書いたひと
宇賀神 亮