お盆もあけましたが、暑い日が続きますね。
今回は避暑地にある栃木の名建築をご紹介します。
日光の中禅寺湖畔に建つ、「イタリア大使館別荘記念公園」(旧イタリア大使館別荘)です。
その名の通り、イタリア大使が別荘として使用していた建物で、復元改修工事を経て現在は一般公開されています。
↑湖畔側から見た外観。
↑山側からのアプローチ。外壁は杉皮と杉板を張り分けたデザイン。
中禅寺湖を望む湖畔に、緑に囲われながらひっそりと佇む別荘で、自然に溶け込んだ姿が趣きがあります。
設計は日本の近代建築に大きな影響を与えたアメリカ人建築家、アントニン・レ-モンドです。
私の大好きな吉村順三の師匠にあたる方で、フランク・ロイド・ライトの助手として来日し、旧帝国ホテルの設計に関わっていました。
戦前、戦後を通して日本の良さを活かしたモダニズム建築を多く残しています。
↑縁側からは中禅寺湖、那須連山が視界いっぱいに拡がります。
特におすすめの場所は、湖畔に面した縁側です。
1.5間(約2.7m)幅の広々とした縁側にソファが据えられていて、中禅寺湖と那須連山を一望できるとっておきの場所です。
ソファに腰掛けて、ほっと一息つくだけで、静かで穏やかな時間がながれていきます。
なんとこの建築、竣工が1928年ですので、もう少しで100年!
「いい建築」は時を経るほど美しいものですね。
↑中禅寺湖。折りたたみ椅子を持って行って湖畔で一休み。この後は滝めぐり。
日光はインバウンド需要も多く、新しいホテルや民泊も増えています。
ぜひ栃木に来る機会があれば、日光まで足を運んでみてください。
紅葉の時期は渋滞が凄いので今の時期がおすすめです。
-おまけ-
イタリア大使館別荘記念公園から歩いて5分ほどの場所に、英国大使館別荘記念公園(旧英国大使館別荘)もあるので合わせて行くのがおすすめです。お得な共通チケットもあります。
こちらはアーネスト・サトウの個人別荘として建てられた後、英国大使の別荘として使われていました。こちらも復元工事後、一般公開されています。
↑旧英国大使館別荘。こちらも中禅寺湖に向かって、広い縁側があり気持ちいい場所です。
書いたひと

宇賀神 亮