「立原道造」と聞いて、建築を思い浮かべる人は少ないと思いますが、実は、彼は東京帝国大学(東大)建築学科卒の「建築家」なのです。
詩人であった彼は、短い生涯のなかで、絵画や建築の設計図も残しています。
その道造が計画した小屋が「ヒアシンスハウス」で、残されたスケッチを基に、2004年にさいたま市の別所沼公園内に建てられました。
道造好き×小屋好きの僕としては、ずっと行きたかった場所です。
ヒアシンスハウスは、道造が独りで住むためのわずか4.5坪の小屋です。
必要最小限の広さに、簡素な材料で、田園に溶け込むように計画されています。
片流れの屋根に杉板張りの外観は、木々とすんなりと馴染んでいました。
部屋のなかも杉板張りで、造り付けの家具と、低い天井高が何とも落ち着く空間でした。
コーナーの引き戸を開けると、別所沼が見える窓辺で詩に思いを馳せる、そんな道造の姿が目に浮かんでくるようでした。
また何度も訪れたい場所となりました。
ヒアシンスハウスは、「ヒアシンスハウスの会」によって運営管理されていて、水曜と土日祝に見学ができます。
また、道造の建築については、種田元晴さんの著書『立原道造の夢みた建築』に詳しく書かれていますのでご興味のある方はそちらも是非。
書いたひと

宇賀神 亮