戦後の資材不足のなかでつくられた最小限住宅「9坪ハウス」。
2000年代のリバイバルにより注目を浴びるも、徐々に忘れ去られていった。
そこから四半世紀を経た現在、建設費の高騰、不安定な社会情勢のなかで、住宅を建てることへのハードルを下げるため、あらためて注目してみたいと思う。
9坪ハウスのコンパクトさを活かしながらも開放的で、広々と住むことのできる、そんな住宅を考えてみる。
9坪ハウスにL型のドマ「Loma(ロマ)」とテラスをプラスすることで、リビング・ロマ・テラスと3層のレイヤーが生まれ、それらを組み合わせることで空間に拡がりが生まれる。
リビングとロマの間、ロマとテラスの間はそれぞれ建具で開閉できるため、季節や天候によって一体的に使うなど、多様な使われ方が期待できる。
また、ロマはバッファゾーンとして温熱環境の棲み分けにも貢献する。
敷地に対して小さく建てるということは、外部環境や庭との関係性が拡がるということ。
建物を小さくすることで庭が生まれ、光や風を感じながら庭の木々に包まれたやわらかな環境に住むことで、気持ちよく穏やかに過ごすことができる。
9坪ハウスの新たな展開を試みた一案だが、現在の住宅建設難にも十分応え得るのではないだろうか。